2004 001 photos text

住宅街に建つアトリエ付き専用住宅の計画。造成された敷地は前面道路に対し細く切り込まれた階段を残す以外は更地になっていて、縦長の長方形である。その切込みを利用しつつ、ここでは道路側に住宅を寄せることで、敷地の半分を外部空間として計画をした。条例により勾配屋根を乗せるといった形態規制があり、勾配屋根の高さと敷地のレベル差を利用し道路側から見えないプライベート性の高い外部空間の計画を試みている。ひとまとまりの大きな外部空間によって、京町屋の坪庭のように彩光及び煙突効果による通風が可能となるよう考慮をした。平面はサーキット状の計画としエントランスの階段を上れば南側の外部空間が広がる居間に出る。廊下状の天井の高い位置に寝室と台所を配置し、光の均質な北側にアトリエを配している。 切り込まれたような開口部は陶芸用の干し場と、猫用のテラスであるとともに、身体を室内に置いたまま本だけを外の机に出し、のんびりとした読書などのスペースとして利用するためのものである。