2005 岩見沢駅舎建築デザインコンペ photos text

JR北海道が主催した岩見沢新駅舎の公募型設計競技の応募案。求められた機能は駅舎の他に、店舗や市役所サービスなどの複合施設である。単純にそれらを機能で分割するのではなく、要求された機能にそれぞれの異種性を持たせつつも、街区および鉄道などの一連の連続性を持っ属性にいかに縫いこんでいくのかという問題を模索している。FL±0から FL+2500までを視界の抜ける空間とし、異なった機能のプログラムを視覚的に連続させるよう計画をした。一方、FL+2500に垂壁の下端を設け、これより上のレベルはそれぞれの室がさまざまな形状や光の関係で個別の機能や場所が定義付けられる手法を考えた。視線の連続した大空間を目指すと共に個別性をも確保することを目指している。車窓からの風景は時として駅があることによって分断され、その街に着いたにも関わらす、駅舎が壁になり突如その街が見えなくなる事がある。 この計画では、車窓からはホームや駅舎や街がレイヤとして重なり合う。かつ、停車中の列車はその天井の形状によって駅舎の一部ともなる。岩見沢の街のもつ連続性と車窓からの連続に駅舎をまるでジャングルと迷彩服の関係のように、そっと織り込み、しのばせる事を目標としている。

 
 

共同設計 :上田篤(un voice一級建築士事務所)
小嶋雄之、竹内麻子